週刊・高木の分析

高木ウィークリー

今週の見通し(5月14日〜5月18日)

先週の動き(5月7日〜5月11日)/先週の業種別株価推移(TOPIX33業種)

(業種別株価はTOPIX33業種)

指標 終値 ベスト5 週間変化率 ワースト5 週間変化率
日経平均 8,953.31(−426.94) (1)空運業 −0.54% (1)証券・商品 −11.07%
TOPIX 758.38(−34.49) (2)輸送用機器 −1.38% (2)海運業 −10.04%
東証2部指数 2,323.98(−73.17) (3)精密機器 −1.68% (3)保険業 −8.65%
ジャスダック平均 1,370.33(−32.42) (4)陸運業 −2.06% (4)鉱業 −8.22%
円/米ドル 79.82(−0.52) (5)ゴム製品 −2.17% (5)建設業 −6.66%
円/ユーロ 103.17(−1.69)  
日本10年国債(%) 0.850(−0.035)  
米国10年国債(%) 1.84(−0.04)  
独10年国債(%) 1.51(−0.07)  
NYダウ 12,820.60(−217.67)  
ナスダック 2,933.82(−22.52)  
独DAX指数 6,579.93(+18.46)  

海外市場動向

先週の米国株式市場は、欧州情勢に振り回されるという、米国での経済指標の発表が少ない時期にありがちな展開となった。NYダウは、前週末の総選挙の結果を受けたギリシャで連立協議が難航していることを嫌気して、9日まで6日続落となり、1日の高値13,338ドルから9日の安値12,748ドル(いずれも取引時間中)まで4.4%下落した。5月第1週の新規失業保険申請者数が36.7万人となり、2週続けて36万人台の低水準にとどまったことで、雇用環境の悪化に対する不安が若干後退したため、10日には小反発したものの、週末には前日の取引終了後にJPモルガンがクレジット証券のトレーディングにより20億ドルの損失が出たと発表したことから再び売られ、週間のNYダウは結局217ドルの下落となった。

為替市場ではユーロが売られ、対米ドルでは一時1月23日以来となる1ユーロ=1.29米ドル割れ目前まで下落した(対円でも一時2月17日以来となる1ユーロ=102円台に下落)。また、債券市場では「質への逃避」の動きが加速し、10年国債利回りはスペインで再び6%台に上昇(価格は下落)する一方、ユーロ圏における資金の逃避先であるドイツでは史上初めて1.5%を下回った。さらに、米国の10年国債利回りも一時1月31日以来となる1.8%割れとなったほか、日本の10年国債利回りも9日には1年7ヶ月ぶりの低水準となる0.845%まで低下したが、日米の金利差は若干縮小する形となったこともあり、円は対米ドルで一時2月21日以来となる79.50円台まで買われる場面があった。但し、円をさらに買い上げる動きも乏しく、週間を通して見ると、1米ドル=80円手前での極めて小幅なレンジ内の動きに終始する形となっている。

ところで、冒頭でも述べた通り、先週のグローバル金融市場ではギリシャの政局混迷を受けて、欧州の財政問題が最大の懸念材料として再びクローズアップされている。確かに、前述の通り、通貨ユーロが売られるとともに、スペインの国債利回りも上昇したが、昨年10〜11月にイタリアやスペインのソブリン債が売られた時には大きく上昇した欧州の銀行間金利が、今回は極めて落ち着いていることは重要なポイントであり、このことは、ECBが昨年12月と今年の2月に行った資金供給の効果により、欧州の金融機関の資金繰りに支障が出ておらず、現時点では欧州発の金融システム崩壊の不安はほとんどないと思われる。繰り返し述べている通り、「ヨーロッパ=世界」、ましてや「ギリシャ=世界」ではないのだから、市場もいい加減にギリシャ離れをしても良かろう。

国内株式市場動向

先週の国内株式市場は、連休中の海外市場の波乱を後から織り込む形で急落して始まった後も、先に述べた通り、NYダウが6日続落となるなど米国株式市場の軟調に引きずられる形で下値模索となり、日経平均は取引時間中では2月14日、終値ベースでは2月13日以来の9,000円割れとなり、週間では426円の大幅下落となった。

前述の通り、全般相場は極めて冴えない展開が続いているが、好決算企業を素直に物色する動きも散見されている。その代表はトヨタ自動車(7203)であり、営業利益ベースで前期比2.8倍の1兆円を見込む今期計画は市場予想の通りであったが、同社は期初時点では保守的な見通しを示す傾向が強いだけに、会社計画には上振れ余地があるとの見方が支配的となったことから、8日の取引終了後に行われた決算発表の後は、軟調な相場展開の中で週末にかけて2日続伸となっている。このように、髙木証券が以前から想定してきた業績相場への移行の萌芽が見られ始めていることは心強い。

ちなみに、先週に決算発表を行った企業の今期業績見通しは、市場予想との比較ではマチマチだったとは言え、多くの企業が今期の大幅増益を見込んでいることに変わりはないため、東証1部の今期予想PERは昨年10月27日以来となる13倍台にまで低下し、日本株の割安感が強まっている。経済指標も、9日発表の5月の景気動向指数は一致、先行とも前月を上回ったほか、10日発表の4月の景気ウォッチャー調査でも、現状判断は前月比多少低下したものの、好不況の分かれ目とされる「50」を2ヶ月続けて維持しているほか、先行きは2ヶ月ぶりに「50」を回復するなど、総じて良好と言える。

このように、足下での調整は、海外株式の調整と為替の円高傾向という外部要因によるものであるが、とりわけ円高については、ギリシャに対する過度の不安心理がある程度後退しさえすれば円を積極的に買う理由はないことを考えると、2月14日の日銀による追加緩和以降の上昇を、完全に吐き出してしまったこの水準で日本株を売却する必然性はないと言えよう。(文責:勇崎聡)

今週のスケジュール

14(月) 15(火) 16(水) 17(木) 18(金)
鉱工業生産(ユーロ圏3月)
卸売物価(印4月)
鉱工業生産(メキシコ3月)
消費者物価(米4月)
小売売上高(米4月)
GDP(ユーロ圏1Q)
GDP(独1Q)
ZEW景況感(独5月)
機械受注(3月)
住宅着工件数(米4月)
鉱工業生産(米4月)
GDP(1Q)
フィラデルフィア連銀景気指数(米5月)
小売売上高(伯3月)
GDP(メキシコ1Q)
全国百貨店売上(4月)
消費者物価(カナダ4月)

ご注意頂きたいこと